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不動産を所有する8つの責任 第4話【全7回】

責任その④ 「向上させる」


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不動産の価値を維持していくためには、常にその不動産を向上させる努力と、工夫をする必要があります。さもなければ不動産は時間がたてば古くなるし、時代遅れにもなります。いくら最先端の建物を造ったとしても、古くなれば、新しいものとの間に勝ち目はありません。それでもそれなりの工夫をしていれば勝てるかもしれません。人間社会と同じです。その、「それなり」をする努力と工夫が必要です。それが向上させること、すなわち、維持することにつながります。


例えばアパート経営の場合、築年数が重なって、近年できたアパートと競合しても当然ながら勝てません。だから家賃を下げる、という繰り返しになっています。それを、リフォームによってオール電化にしたとします。ここからは実例ですが、当然、イニシャルコストはかかりますが、新しいアパートにも負けないくらい入居率が良くなりました。


どうしてそうなるかというと、第一に、オール電化によって、家賃とランニングコストのトータルコストが下がったからでした。先にもお話ししたトータル家賃という考え方です。当然、初期投資がかかったためそれを家賃に反映させます。つまり家賃を値上げします。しかし、光熱費はオール電化にしたことで、今までのガスエネルギーと比較して大幅に下がりました。


第二に、個人住宅のオール電化率の普及により、そこで育った子供たちが独立した時、使い慣れたオール電化アパートを選ぶようになったことがあります。


第三に、オール電化によりクリーンな生活ができるようになったことがあります。近年のアパートはシステムキッチンなど、見せるキッチンスタイルになってきています。そのようなファッション感覚なアパートではオール電化できれいな部屋を演出したいとの表れです。


このようなことが入居者から支持を得たのかもしれません。建物が古くなっても工夫と努力次第では、それなりの向上をさせることができるものなのです。


メンテナンスは重要です。「一度釣った魚には餌をやらない」という考えでは時代についてはいけなくなります。常に、メンテナンス、リノベーション等を考え、計画的に実施したいものです。それゆえに不動産を向上させるということは、長期間にわたり、維持できるようにすることなのです。決して衰退させない、あくまでも維持をしていく、それがその不動産の価値であり魅力なのです。


価値あり、魅力あるものは繁栄していく、だから向上させることは、不動産を所有する人の責任なのです。


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Copyright © 齊藤 正志
※この記事は弊社代表・齊藤 正志の著書『不動産を「加工」する技術』(現代書林)より抜粋、再編集したものです。
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