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不動産を所有する8つの責任 第3話【全7回】

責任その③ 「再生する」


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再生するとは、甦らせて、それを維持していくことと考えています。どうして再生しなければならないかと考えた場合、時代背景の変化や社会環境の変化によって影響されることが多いようです。


例えばアパート経営をして20年30年が経過をして、周囲には新しいトレンディなアパートが建ち、しかも家賃が安い、設備も整っている。それによって自分たちが所有しているアパートは、家賃が下落する、入居率は下がるは「わやぁ」(北海道の方言)であります。これではとても太刀打ちができないので、いっそのこと売却してしまおうかと思う・・。


以上のシナリオは当然のごとく起きることです。このようなことが起きてから行動するか、起きる前に対策を打つかということは、所有する人の責任です。


昭和40年代に始まったニュータウンは、いまやオールドタウン。これらも再生しなければ、いずれゴーストタウン化する可能性があります。もしゴーストタウン化すれば、その不動産の価値がなくなり、負債となり、個人、地域に大きな「つけ」を残すことになります。


今、その旧ニュータウンで何が起きているかといえば、不動産業者が買い取り、それを半分に区割りして、建て売りにして販売をしているのです。例えば当時80坪程度の分譲したニュータウンが半分に、つまり40坪の土地に建物を建てて販売しています。


元々、ニュータウンのコンセプトは、ゆったりとした土地に街並みのきれいな家を造り、後世へつないでゆくことで、その価値を維持していこうというものでした。それがわずか30年から40年で根本的な方向性が崩れてきたわけです。これらは不動産を所有する人の工ゴであり、とにかく自分が所有する不動産を売り抜けようとする表れなのかもしれません。


では、これから30年から40年先には、また同じことが繰り返されることになるのかと思うと恐ろしいことと想像します。不動産の価値というのは、個の部分と、地域、環境等が相まって維持されるものです。これらの活用の仕方を否定するつもりはありませんが、このようにならないように街を維持していくことが、不動産を所有する責任です。


常に維持していく努力をすれば、再生という概念はなくなるでしょう。しかし、そうは言ってもニュータウンや中古アパートなど再生しなければならない不動産は不動産の世界ではたくさんあります。限られた資源の中で再びよみがえらせることの道筋を、不動産を所有する人が見つけ、次の代につなげる責任があるでしょう。


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Copyright © 齊藤 正志
※この記事は弊社代表・齊藤 正志の著書『不動産を「加工」する技術』(現代書林)より抜粋、再編集したものです。
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