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不動産を所有する8つの責任 第2話【全7回】

責任その② 「活かす」


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日本の心である「おもてなし」の精神、「ご馳走する」という語源、相手に対して最高のことを考え、実践することで感動を与えようとすることと、私は理解しています。


料理の世界でも、日本人はその食材に手を加え、加工することで、最高の料理に仕上げて提供しています。不動産の世界でも同じことが言えます。ただ、不動産は、長期にわたること、様々な分野(法律、税金、技術的要素等)が複雑に絡み合うことがあります。料理と同じように、加工することで、最高に仕上げるようにするという点では共通です。


例えば、アパートや貸家を専門的に販売する会社において、不動産の有効活用を相談したところ、最終的にアパートを建築することになりました。これは結果的にはメリットがあり、納得して決断したことであり喜ばしいことです。ここで水を差すようで恐縮ですが少々言わせていただくと、実は相談にいった時点でシナリオが決まっていたといっても過言ではないと思います。


もっとも、アパート経営については、素人でもできるように様々な一括借り上げなどの工夫がされていますから、建築する側から見ると安心して建築できるのです。しかし、少子高齢化が進んでいる現代社会や、若者が地方離れをしている現状を考えるといろいろな疑問が生じることもあるのではないかと思います。


さて、どのような事業においても必ずリスクがあります。リスクのない仕事はないと思います。アパート経営においても、不動産会社が一括借り上げをしているから安心できるように思いますが、そんなことはありません。周辺で家賃下落が起きれば、いくら保証していても、当然ながら家賃引き下げの交渉が始まるわけです。


不動産を活かすためには、たくさんの情報、たくさんの実例、事例を見たり、研究する必要があります。不動産は様々な分野にかかわる専門的な部分があります。例えば税金のこと、取引形態、資金、法律、建築等。したがって総合的にプロデュースしてくれる人が貴重ではないかと考えられます。しかし、プロデュースする、いわゆるコンサルと言われる人たちも、自分で見極めなくてはなりません。


不動産の売却依頼を受けても、単に情報を拡散していくだけの方法と、売却物件を、どのように、どういう人に、どのような使い方で売却するかなどをイメージして対処することもできます。


このように、不動産を「活かす」ためには相応の努力が必要であり、最高の活かし方を実現するのが所有者の責任かと思います。


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Copyright © 齊藤 正志
※この記事は弊社代表・齊藤 正志の著書『不動産を「加工」する技術』(現代書林)より抜粋、再編集したものです。
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